御宿かわせみ
御宿かわせみ
連作時代小説シリーズ。旅籠「かわせみ」を舞台にした人情捕物帖。
『小説サンデー毎日』昭和48年(1973年)2月号から隔月で連載される。
第33話掲載後、『小説サンデー毎日』休刊のため、一時中断した。出版社を替え、『オール読物』で連載が再開された。同誌2007年1月号より、時代が明治維新以降に飛び、子ども世代を主とした「新・御宿かわせみ」となっている。
平岩作品の中でも人気があり、1973年に東芝日曜劇場で「秋の螢」のタイトルでされ、以降NHKやテレビ朝日などでテレビドラマ化されている。
御宿かわせみ 設定
時は江戸時代末期、ところは江戸大川端。
同心だった父を亡くした庄司るいは、家督を親戚に譲り、大川端に旅籠「かわせみ」をひらく。一つ年下の幼なじみで恋人の神林東吾は、奉行所与力の弟。友人で八丁堀の定廻り同心の畝源三郎や、医者で将軍家御典医の倅の天野宗太郎、かわせみの奉公人嘉助・お吉らとともに市井の事件を解決していく。
連作の初期から中期には、身分違いを気にするるいと東吾のなかなか進展しない恋愛模様が長く描かれ、いわば永遠の青春の呈を表していたが、近年では、東吾の出仕、るいとの結婚と子供の誕生と、幕末の時代の流れのなかで登場人物の時間が動いていくさまが描かれるようになってきている。
御宿かわせみ 登場人物
神林東吾(かみばやし ご)
南町奉行所吟味方与力・神林通之進(かみばやし みちのしん)の弟。
性格の持ち主。遣い手で練兵館では高弟の一人。八丁堀の道場の師範の一人であり、師範代を務めた。二男坊の冷や飯食らいで、るいとは正式に結婚できなかったが、配慮により祝言を挙げることができ、さらに望外にも講武所の教授方と軍艦操練所勤務(後に教官並)となる。 八丁堀に生まれたものの使命感と持ち前の好奇心のもとに、親友である畝源三郎の手伝いをしたり、かわせみに飛び込んでくる事件に首をつっこんだりして捕り物に関わる。苗字は当初「かんばやし」と表記されていたが、現在は「かみばやし」に統一されている。
(庄司)るい(しょうじ)
大川端に旅籠かわせみの女主人。
父の死後、本来なら養子を迎えて家を嗣ぐべきところ、旅籠を始める。東吾とは幼なじみ。子どもの頃から東吾のことが好きだったが、身分違い(東吾は跡継ぎと)であることと家付き娘であることから半ばあきらめていた。 作品中美人であることが強調されている。情け深さの一方、勇敢に小太刀を振るうことも。
畝 源三郎(うね げんざぶろう)
定回り同心。
定回りにしては野暮ったいと言われるが、誠実な男。
御宿かわせみ かわせみ
千春(ちはる)
東吾とるいの娘。
嘉助(か)
かわせみの老番頭。
習性が出ることがある。お吉とのでこぼこコンビぶりは笑いを誘う一面である。
庄司家の奉公人で、嫁いだが夫に死なれて出戻った。 忠義者だが、好奇心が強く、おしゃべり。その性格がかわせみに騒動をもたらすこともある。
ひと回り以上年上で、早くに父を亡くした東吾にとっては父親代わりでもある。香苗とはおしどり夫婦。 麻太郎を養子にする。
香苗(かなえ)
神林通之進の妻。
麻生源右衛門の長女。幼なじみで子どもの頃から好きだった。性格であるが、人目を忍ぶ仲だった東吾とるいを見守り、麻太郎を「お腹を痛めて産んだ子としか思えない」と言い切る面も。 あさたろう)/大村 麻太郎(おおむら あさたろう)
清水琴江が結婚後に産んだ子であるが、東吾との一夜の契りによる子。
琴江が死亡した後、通之進と香苗が何もかも承知の上で養子とする。頃に似ている(ということは似て)ため「通之進の隠し子ではないか」と噂された。
御宿かわせみ 畝家
千絵(ちえ)
畝 源三郎の妻。
一人娘のため、(お互い思いを口にできないまま)諦めようとしていたが、花嫁の駆け落ちを取り繕う仮嫁となり、そのまま正式に妻となった。 源太郎と千代の二子がいる。
畝 源太郎(うね げんたろう)
畝 源三郎の長男。
剣の師でも東吾を慕う。親友で、まるで東吾と幼い頃のようと言われる。
千代(ちよ)
畝 源三郎の長女。
千春とは幼馴染み。
御宿かわせみ 麻生家
麻生源右衛門(あそう げんえもん)
目付西の丸留守居を歴任した旗本。
香苗と七重の父。父とは親友で、七重と東吾を結ばせようと望んでいた。人物だが、宗太郎に家督をゆずって隠居した後は、孫や麻太郎源太郎たちの相手をするのが楽しみ。
麻生宗太郎(あそう )/天野宗太郎(あまの )
医師。
偽名を名乗ってかわせみに泊まったさい、依頼で悪人を引っかける芝居に一役買ったのがきっかけで付き合うように。母親も典薬頭今大路家の長女。 継母(実母の妹)の実子である弟に家督を譲るためと西洋医学を学ぶために極道を装って長崎に留学。後に、七重と結婚、麻生家に養子に入る。人柄で、人を食ったような発言も多い。麻生家の離れを治療所にし、貧乏人からは代金を取らない名医として本所・深川あたりの人々に親しまれている。
七重(ななえ)
源右衛門の二女。
半ば身を引く。 のちに宗太郎と結婚し、花世と小太郎の二子を産む。
おてんばで、思わぬ事件に巻き込まれることも。
麻生 小太郎(あそう こたろう)
宗太郎の長男。
御宿かわせみ お手先
長助(ちょうすけ)
畝 源三郎のお手先(岡っ引)。
主人だが、店は妻と息子に任せきり。頃に畝 源三郎の父に手札をもらいお手先となった。 岡っ引には珍しく人柄が良い、誠実で温厚な男である。
仙五郎(せんごろう)
飯倉麻布付近を縄張りにするお手先。
本業は桶屋(後に息子に譲って隠居する)。岡っ引には珍しく人柄が良い。
御宿かわせみ その他
松浦方斎(まつうら ほうさい)
剣士。
狸穴の方月館の主。 温厚な人柄で、東吾が師範代になってからは道場を任せきりにしている。 刀剣などにも造詣が深い。家事一切を引き受ける女性。
事件で東吾と知り合い、息子の正吉とともに方月館に身を寄せる。
深川あたりの香具師やばくち場を取り仕切る大親分。人が永代の元締の息がかかったばくち場なら素人が安心して遊べると言われる。事件をきっかけに東吾達と知り合う。 息子は小文吾。)
七重の友人。
一度嫁いだが子どもの頃に乱暴された記憶が元で離縁になる。重臣大村彦右衛門と再婚が迫り、克服のためには好きな人と契ることと医師に一計を案じて東吾と一夜の契りを持つ。再婚後、おそらく子である麻太郎を産むが、夫に先立たれ、柳河藩の姫君のお輿入れのお供として多度津に行くも、お家騒動に密書を多度津藩江戸屋敷に届ける途中に斬り殺される。
実在の人物。東吾と同じ岡田十松に剣を学んだ東吾の兄弟子だが、十松の死後、改めて東吾と師弟の契りを結ぶ。
御宿かわせみ テレビドラマ
御宿かわせみ 秋の蛍
1973年8月26日TBS系の東芝日曜劇場で放映
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 若尾文子
神林東吾 : 仲谷昇
御宿かわせみ 真野響子版
NHK水曜時代劇の枠で放映
1980年10月8日〜1981年3月25日(全24回) 1982年10月6日〜1983年4月13日(全24回)
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 真野響子
神林東吾 : 小野寺昭
畝源三郎 : 山口崇
神林通之進 : 田村高廣
御宿かわせみ 主題歌
「祭りばやしが終わるまで」(作詞:大津あきら 作曲・編曲:池辺晋一郎 歌:高橋真梨子)
御宿かわせみ 古手川祐子版
テレビ朝日系でドラマスペシャルが2回放映された
1988年9月29日
1989年3月28日
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 古手川祐子
神林東吾 : 橋爪淳
畝源三郎 : 三浦浩一
御宿かわせみ 沢口靖子版
タイトルは『新・御宿かわせみ』テレビ朝日系放映
1997年10月16日〜1998年3月12日(全19回)
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 沢口靖子
神林東吾 : 村上弘明
畝源三郎 : 平田満
御宿かわせみ 高島礼子版
NHK金曜時代劇で放映
2003年4月4日〜5月30日(全8回) 2004年4月2日〜7月23日(全16回) 2005年5月13日〜8月5日(全12回)
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 高島礼子
神林東吾 : 中村橋之助
畝源三郎 : 宍戸開(第三章からは沢村一樹) 嘉助 : 小野武彦 お吉 : 鷲尾真知子 お春 : 片山さゆり おとみ : 平田裕香 神林通之進:草刈正雄
神林香苗: 仁科亜季子
連作時代小説シリーズ。旅籠「かわせみ」を舞台にした人情捕物帖。
『小説サンデー毎日』昭和48年(1973年)2月号から隔月で連載される。
第33話掲載後、『小説サンデー毎日』休刊のため、一時中断した。出版社を替え、『オール読物』で連載が再開された。同誌2007年1月号より、時代が明治維新以降に飛び、子ども世代を主とした「新・御宿かわせみ」となっている。
平岩作品の中でも人気があり、1973年に東芝日曜劇場で「秋の螢」のタイトルでされ、以降NHKやテレビ朝日などでテレビドラマ化されている。
御宿かわせみ 設定
時は江戸時代末期、ところは江戸大川端。
同心だった父を亡くした庄司るいは、家督を親戚に譲り、大川端に旅籠「かわせみ」をひらく。一つ年下の幼なじみで恋人の神林東吾は、奉行所与力の弟。友人で八丁堀の定廻り同心の畝源三郎や、医者で将軍家御典医の倅の天野宗太郎、かわせみの奉公人嘉助・お吉らとともに市井の事件を解決していく。
連作の初期から中期には、身分違いを気にするるいと東吾のなかなか進展しない恋愛模様が長く描かれ、いわば永遠の青春の呈を表していたが、近年では、東吾の出仕、るいとの結婚と子供の誕生と、幕末の時代の流れのなかで登場人物の時間が動いていくさまが描かれるようになってきている。
御宿かわせみ 登場人物
神林東吾(かみばやし ご)
南町奉行所吟味方与力・神林通之進(かみばやし みちのしん)の弟。
性格の持ち主。遣い手で練兵館では高弟の一人。八丁堀の道場の師範の一人であり、師範代を務めた。二男坊の冷や飯食らいで、るいとは正式に結婚できなかったが、配慮により祝言を挙げることができ、さらに望外にも講武所の教授方と軍艦操練所勤務(後に教官並)となる。 八丁堀に生まれたものの使命感と持ち前の好奇心のもとに、親友である畝源三郎の手伝いをしたり、かわせみに飛び込んでくる事件に首をつっこんだりして捕り物に関わる。苗字は当初「かんばやし」と表記されていたが、現在は「かみばやし」に統一されている。
(庄司)るい(しょうじ)
大川端に旅籠かわせみの女主人。
父の死後、本来なら養子を迎えて家を嗣ぐべきところ、旅籠を始める。東吾とは幼なじみ。子どもの頃から東吾のことが好きだったが、身分違い(東吾は跡継ぎと)であることと家付き娘であることから半ばあきらめていた。 作品中美人であることが強調されている。情け深さの一方、勇敢に小太刀を振るうことも。
畝 源三郎(うね げんざぶろう)
定回り同心。
定回りにしては野暮ったいと言われるが、誠実な男。
御宿かわせみ かわせみ
千春(ちはる)
東吾とるいの娘。
嘉助(か)
かわせみの老番頭。
習性が出ることがある。お吉とのでこぼこコンビぶりは笑いを誘う一面である。
庄司家の奉公人で、嫁いだが夫に死なれて出戻った。 忠義者だが、好奇心が強く、おしゃべり。その性格がかわせみに騒動をもたらすこともある。
ひと回り以上年上で、早くに父を亡くした東吾にとっては父親代わりでもある。香苗とはおしどり夫婦。 麻太郎を養子にする。
香苗(かなえ)
神林通之進の妻。
麻生源右衛門の長女。幼なじみで子どもの頃から好きだった。性格であるが、人目を忍ぶ仲だった東吾とるいを見守り、麻太郎を「お腹を痛めて産んだ子としか思えない」と言い切る面も。 あさたろう)/大村 麻太郎(おおむら あさたろう)
清水琴江が結婚後に産んだ子であるが、東吾との一夜の契りによる子。
琴江が死亡した後、通之進と香苗が何もかも承知の上で養子とする。頃に似ている(ということは似て)ため「通之進の隠し子ではないか」と噂された。
御宿かわせみ 畝家
千絵(ちえ)
畝 源三郎の妻。
一人娘のため、(お互い思いを口にできないまま)諦めようとしていたが、花嫁の駆け落ちを取り繕う仮嫁となり、そのまま正式に妻となった。 源太郎と千代の二子がいる。
畝 源太郎(うね げんたろう)
畝 源三郎の長男。
剣の師でも東吾を慕う。親友で、まるで東吾と幼い頃のようと言われる。
千代(ちよ)
畝 源三郎の長女。
千春とは幼馴染み。
御宿かわせみ 麻生家
麻生源右衛門(あそう げんえもん)
目付西の丸留守居を歴任した旗本。
香苗と七重の父。父とは親友で、七重と東吾を結ばせようと望んでいた。人物だが、宗太郎に家督をゆずって隠居した後は、孫や麻太郎源太郎たちの相手をするのが楽しみ。
麻生宗太郎(あそう )/天野宗太郎(あまの )
医師。
偽名を名乗ってかわせみに泊まったさい、依頼で悪人を引っかける芝居に一役買ったのがきっかけで付き合うように。母親も典薬頭今大路家の長女。 継母(実母の妹)の実子である弟に家督を譲るためと西洋医学を学ぶために極道を装って長崎に留学。後に、七重と結婚、麻生家に養子に入る。人柄で、人を食ったような発言も多い。麻生家の離れを治療所にし、貧乏人からは代金を取らない名医として本所・深川あたりの人々に親しまれている。
七重(ななえ)
源右衛門の二女。
半ば身を引く。 のちに宗太郎と結婚し、花世と小太郎の二子を産む。
おてんばで、思わぬ事件に巻き込まれることも。
麻生 小太郎(あそう こたろう)
宗太郎の長男。
御宿かわせみ お手先
長助(ちょうすけ)
畝 源三郎のお手先(岡っ引)。
主人だが、店は妻と息子に任せきり。頃に畝 源三郎の父に手札をもらいお手先となった。 岡っ引には珍しく人柄が良い、誠実で温厚な男である。
仙五郎(せんごろう)
飯倉麻布付近を縄張りにするお手先。
本業は桶屋(後に息子に譲って隠居する)。岡っ引には珍しく人柄が良い。
御宿かわせみ その他
松浦方斎(まつうら ほうさい)
剣士。
狸穴の方月館の主。 温厚な人柄で、東吾が師範代になってからは道場を任せきりにしている。 刀剣などにも造詣が深い。家事一切を引き受ける女性。
事件で東吾と知り合い、息子の正吉とともに方月館に身を寄せる。
深川あたりの香具師やばくち場を取り仕切る大親分。人が永代の元締の息がかかったばくち場なら素人が安心して遊べると言われる。事件をきっかけに東吾達と知り合う。 息子は小文吾。)
七重の友人。
一度嫁いだが子どもの頃に乱暴された記憶が元で離縁になる。重臣大村彦右衛門と再婚が迫り、克服のためには好きな人と契ることと医師に一計を案じて東吾と一夜の契りを持つ。再婚後、おそらく子である麻太郎を産むが、夫に先立たれ、柳河藩の姫君のお輿入れのお供として多度津に行くも、お家騒動に密書を多度津藩江戸屋敷に届ける途中に斬り殺される。
実在の人物。東吾と同じ岡田十松に剣を学んだ東吾の兄弟子だが、十松の死後、改めて東吾と師弟の契りを結ぶ。
御宿かわせみ テレビドラマ
御宿かわせみ 秋の蛍
1973年8月26日TBS系の東芝日曜劇場で放映
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 若尾文子
神林東吾 : 仲谷昇
御宿かわせみ 真野響子版
NHK水曜時代劇の枠で放映
1980年10月8日〜1981年3月25日(全24回) 1982年10月6日〜1983年4月13日(全24回)
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 真野響子
神林東吾 : 小野寺昭
畝源三郎 : 山口崇
神林通之進 : 田村高廣
御宿かわせみ 主題歌
「祭りばやしが終わるまで」(作詞:大津あきら 作曲・編曲:池辺晋一郎 歌:高橋真梨子)
御宿かわせみ 古手川祐子版
テレビ朝日系でドラマスペシャルが2回放映された
1988年9月29日
1989年3月28日
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 古手川祐子
神林東吾 : 橋爪淳
畝源三郎 : 三浦浩一
御宿かわせみ 沢口靖子版
タイトルは『新・御宿かわせみ』テレビ朝日系放映
1997年10月16日〜1998年3月12日(全19回)
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 沢口靖子
神林東吾 : 村上弘明
畝源三郎 : 平田満
御宿かわせみ 高島礼子版
NHK金曜時代劇で放映
2003年4月4日〜5月30日(全8回) 2004年4月2日〜7月23日(全16回) 2005年5月13日〜8月5日(全12回)
御宿かわせみ 出演
庄司るい : 高島礼子
神林東吾 : 中村橋之助
畝源三郎 : 宍戸開(第三章からは沢村一樹) 嘉助 : 小野武彦 お吉 : 鷲尾真知子 お春 : 片山さゆり おとみ : 平田裕香 神林通之進:草刈正雄
神林香苗: 仁科亜季子